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煮詰めたシチュー
第11章 「星と僕たちのあいだに」 あとがき

「星僕」という物語を書くと決めたとき、私が自分に問うたのは、それぞれ思いや立場の違う登場人物たちをどうやって幸福にするか、ということでした。

人間関係のほとんどは、あちらを立てればこちらが立ちません。
それでも、みんなが幸せになるために必要なものは何かと考えたとき、大切なのはやはり、「人間の良心」ではないかと思い至りました。

星僕の登場人物たちは、皆どん底に落ちてもがきますが、それぞれの意思で再生させました。
彼らを再生させる源動力になったのは、とりもなおさず、偽りのない他者への良心でした。

長い人生、生きていれば失敗することが多いです。
またその失敗を許せずに、長いあいだ心の重荷になってしまうものもあります。

そうしたことの原因は無数にあるのでしょう。
ですが、その解決策は、もっとも単純で身近で、たったひとつのことなのかもしれません。





-「星と僕たちのあいだに」 あとがき-

2017-5-3



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