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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
私の仕事仲間に山ちゃんという大工さんがいました。面倒見の良い人で、私も若い頃大変お世話になった人生の大先輩です。
その山ちゃんが昨年亡くなりました。70前でしたから最近では少し早い気がします。
たくさんの弔問客に見送られて三途の川を渡っていきました。
イタズラ好きで茶目っ気のある人だったので、たぶんあちらの世界でも人気者になってると思います。
先日、近くに用事があったので御自宅に足を運びました。
遺影に手を合わせて御挨拶してから奥様と思い出話に花を咲かせていると、そうそうと言って小さな指輪ケースを大事そうに見せてくれました。
それは私への形見分けでした。