この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あの店に彼がいるそうです
第11章 いくら積んでもあげない
「ナニ言ってるかわかってる?」
「わかってます……本当に突然ですみませんが俺どうしても」
瑞希の声を聞きながら類沢はブチろうかと久しぶりに思ってしまった。
それほどに話が飛んでいたからだ。
「手術代の保証人になってもらった人がいるのはわかった。機関名すら把握してないのは言及しないよもう。でもキャッスルからもそういう話は出ていない。本当に信頼してそこに頼んでシエラを辞めるって言ってるの?」
「う……そうです」
「嘘です?」
「いえっ、その」
携帯を頬に当てて宙を睨む。
その様子を傍らで見ていた篠田が不審そうに腰を上げたが類沢は手で制した。
「とにかく、忍は明日の夜手術してもらえるんで」
明日?
レシピエント登録をしたばかりだって言うのに?
確実に瑞希を騙している奴等は正規のルートを使ってない。
悠にも確認したが闇医者仲間の中でもそれが可能な人間はいなかった。
なら国外か?
そこで篠田が書類を机から拾い上げて類沢に示した。
その眼が微かに見開かれる。
「……瑞希」
「はい」
「契約相手って……鵜亥じゃないよね」
ブツン。
そこで不自然に電話が切れた。
「おい」
「瑞希が切ったんじゃないと思う。けどこれで確実。鵜亥……なんでよりによって」
類沢がナニかを思い出したように口を押さえる。
「どうした」
「ああ……繋がった。あのとき瑞希が会ってたのが鵜亥だったってこと? 愛が正に拷問受けてるときにあそこにいたんだ……くく、舐めてる」
篠田もその発言には動揺した。
蓮花と三人で家にいたあの間に鵜亥にまんまと種を撒かれていたってわけか。
「だが、おかしい」
篠田が呟く。
「お前が忍を病院に連れていったのはそのあとだろ? 雛谷達も肝炎を知ったのはその日だ。忍は公表してなかったらしいからな……なら」
「理由は一つでしょ。キャッスルにも愛みたいな内通者がいる」
二人は確信と共に悪寒を感じた。
その根拠を類沢が思い当たった。
「雛谷はここ一年新人起用をしてない」
「わかってます……本当に突然ですみませんが俺どうしても」
瑞希の声を聞きながら類沢はブチろうかと久しぶりに思ってしまった。
それほどに話が飛んでいたからだ。
「手術代の保証人になってもらった人がいるのはわかった。機関名すら把握してないのは言及しないよもう。でもキャッスルからもそういう話は出ていない。本当に信頼してそこに頼んでシエラを辞めるって言ってるの?」
「う……そうです」
「嘘です?」
「いえっ、その」
携帯を頬に当てて宙を睨む。
その様子を傍らで見ていた篠田が不審そうに腰を上げたが類沢は手で制した。
「とにかく、忍は明日の夜手術してもらえるんで」
明日?
レシピエント登録をしたばかりだって言うのに?
確実に瑞希を騙している奴等は正規のルートを使ってない。
悠にも確認したが闇医者仲間の中でもそれが可能な人間はいなかった。
なら国外か?
そこで篠田が書類を机から拾い上げて類沢に示した。
その眼が微かに見開かれる。
「……瑞希」
「はい」
「契約相手って……鵜亥じゃないよね」
ブツン。
そこで不自然に電話が切れた。
「おい」
「瑞希が切ったんじゃないと思う。けどこれで確実。鵜亥……なんでよりによって」
類沢がナニかを思い出したように口を押さえる。
「どうした」
「ああ……繋がった。あのとき瑞希が会ってたのが鵜亥だったってこと? 愛が正に拷問受けてるときにあそこにいたんだ……くく、舐めてる」
篠田もその発言には動揺した。
蓮花と三人で家にいたあの間に鵜亥にまんまと種を撒かれていたってわけか。
「だが、おかしい」
篠田が呟く。
「お前が忍を病院に連れていったのはそのあとだろ? 雛谷達も肝炎を知ったのはその日だ。忍は公表してなかったらしいからな……なら」
「理由は一つでしょ。キャッスルにも愛みたいな内通者がいる」
二人は確信と共に悪寒を感じた。
その根拠を類沢が思い当たった。
「雛谷はここ一年新人起用をしてない」