この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
散る華如く
第3章 郭を訪れて・・・
「しをな・・・この着物を仕上げてちょうだい。」
母、瑠恵が言う。
「はい、お母様。」
彼女はこくり、と頷くと、梅が咲き乱れた着物を手に取った。
そして、縫い針と糸切り鋏を手に取った。
(彼はどうしているの・・・?)
あの日―『おいらん道中』を見た日から、彼のことが忘れられなくて。
「しをな姉さん、それ・・・きれいだね。」
瑠花が着物を指さして言った。
「出来上ったら、遊郭に届けに行ってくれるわね?」
「ええ、お母様。いつもの『菊屋』でしょう?」
「そうよ・・・くれぐれも、長居はしないで。」
「・・・?」
しをなは戸惑った瞳(め)で、母の顔を見つめた。
「いいから、行ってきなさい。」
「ええ・・・お母様。」
彼女は出来上がったばかりの着物を持って、遊郭へと向かった。
母、瑠恵が言う。
「はい、お母様。」
彼女はこくり、と頷くと、梅が咲き乱れた着物を手に取った。
そして、縫い針と糸切り鋏を手に取った。
(彼はどうしているの・・・?)
あの日―『おいらん道中』を見た日から、彼のことが忘れられなくて。
「しをな姉さん、それ・・・きれいだね。」
瑠花が着物を指さして言った。
「出来上ったら、遊郭に届けに行ってくれるわね?」
「ええ、お母様。いつもの『菊屋』でしょう?」
「そうよ・・・くれぐれも、長居はしないで。」
「・・・?」
しをなは戸惑った瞳(め)で、母の顔を見つめた。
「いいから、行ってきなさい。」
「ええ・・・お母様。」
彼女は出来上がったばかりの着物を持って、遊郭へと向かった。