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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第2章 灰色の雨が降る日、俺たちの関係はねじれた
しゅーちゃんはその子を見るなり、思いっきり眉をしかめた。
いつもは表情に乏しい顔が、今は攻撃的に歪められている。

その殺気に俺はちょっとたじろいだ。

「あはは、怒ってる」

女の子は物怖じすることなく、しゅーちゃんの肩を叩いた。
それをしゅーちゃんは汚いものでも触れたかのように振り払う。

「若葉、先入ってろ」

「え……うん」

俺はしゅーちゃんの近寄るなオーラに負けて、エントランスのロックを開け、エレベーターホールに入った。
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