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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第6章 傘ふたつ
なお、彼女の意向で名前は呼び捨てし合うことになっていた。
ポテトを頬張りながら苺香が言う。

「なるほど。若葉って、マイカとそっくりだね」

「ど、どこが?」

俺は首をひねった。

顔は似ても似つかないと思う。
俺は平凡なビジュアルで、一方の苺香にはさっきから道行く人が振り返っている。
なんだか一緒にいるのが申し訳なくなってきたところだ。

「やってることが時々かぶってるっていうか、仕種とか動き方とかが似てる」

「そうかな……」
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