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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第6章 傘ふたつ
苺香は神妙な顔をして俺のことを見ていた。
慰めることも、同調することもなく、ただ聞いてくれる。
それが俺にはありがたかった。
「ご、ごめん。初対面なのにこんな話……」
俺は目元を拭う。
俺達はライバルってやつなんだろうか。
でも、自分の気持ちを吐き出したすっきり感の方が強くて、嫉妬も対抗心も全くわいてこない。
「マイカの場合はね、ヒトメボレだったんだー」
苺香はコーラに刺さったストローを突きながら言った。