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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第6章 傘ふたつ
「最初はそれでもいいって思ったんだ。そのうちマイカの心も見てくれればって。でも……やっぱりダメだった」
言葉尻がだんだんと小さくなっていく。
苺香を振った後の、しゅーちゃんの冷たい言葉を思い出した。
『――もう終わった』
そこには何の未練も感じられなかった。
しゅーちゃんにとって、セフレは本当にただの性欲処理の相手なんだ。
心なんて一切関係ない。
胃のあたりが、きゅうと冷たい手で捕まれたように感じた。