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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第6章 傘ふたつ
「俺も、似たようなもんかな。しゅーちゃんには体だけでいいって言われた……」

ぽつりと呟くと、苺香はがばっと顔を上げてこっちを見る。

「そっか、だから若葉泣いてたんだ! あいつ、マジありえないよね!」

自分のことのように怒りだす苺香を、俺は不思議な気持ちで見つめていた。

なぜだろう、苺香といると気持ちが楽になる。
俺が今まで一人で悩んで押し込めていたことを、彼女となら共有できるからだろうか。
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