この作品は18歳未満閲覧禁止です
叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第8章 泡のようにはじけて
頭がぐしゃぐしゃだった。
家には帰りたくない。
少しでもしゅーちゃんから離れていたい。
どうしたらいいのか全然わからなかった。
俺はスマホのアドレス帳を開いた。
手が微かに震えているのは、初めて人を殴った興奮のせいだろうか。
迷った末に、ひとつの番号をタップする。
『若葉ー? どした?』
明るい声が電話越しに響く。
相手はさっき会っていた少女だった。
「……ごめん、苺香。帰ったばっかなのに」