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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第10章 虹が笑う
俺は深呼吸をして、一言一言噛み締めるように言った。
「俺が好きなのは、しゅーちゃんだよ」
しゅーちゃんの前に回り込んで、その顔を見上げる。
真っ黒な目は、切なげにぎゅっと細められている。
眼鏡が濡れているのは、雨粒なのか涙なのかよくわからなかった。
「俺のことが嫌いなんじゃなかったのかよ……」
「……嫌いだよ。乱暴なことばっかりするしゅーちゃんは嫌い。だけど……」
俺はもう一度言う。
「好きだよ、しゅーちゃん」
ずっとずっと言いたかった。
一度伝えることを覚えてしまえば、今までどうやって隠してこられたのだろうと不思議になる。
「俺が好きなのは、しゅーちゃんだよ」
しゅーちゃんの前に回り込んで、その顔を見上げる。
真っ黒な目は、切なげにぎゅっと細められている。
眼鏡が濡れているのは、雨粒なのか涙なのかよくわからなかった。
「俺のことが嫌いなんじゃなかったのかよ……」
「……嫌いだよ。乱暴なことばっかりするしゅーちゃんは嫌い。だけど……」
俺はもう一度言う。
「好きだよ、しゅーちゃん」
ずっとずっと言いたかった。
一度伝えることを覚えてしまえば、今までどうやって隠してこられたのだろうと不思議になる。