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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第11章 雨は止んで
全身びしょ濡れで帰宅すると、母親は呆れながら、「次からはちゃんと連絡しなさいよ」の一言で許してくれた。

その日、俺は見事に熱を出して寝込んだ。
悔しいことに若葉の方は至って元気で、ちゃんと学校に行ったらしい。

午前中爆睡して、昼過ぎにはずいぶん体も楽になってきた。

台所でポカリを一気飲みしていると、チャイムが鳴る。
エントランスホールからじゃなくて、玄関の目の前からのコールだ。

「しゅーちゃん」

扉を開けると、学校帰りの若葉が立っていた。
照れ臭そうに笑っている。

ああ、そっか。
俺達両想いになったんだっけ。

また口がにやける。
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