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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第11章 雨は止んで
「しゅーちゃん、熱は大丈夫?」

「もう平熱」

「そっか、これ買ってきたから飲んで」

お互いに熱を出したときは栄養ドリンクだ。
長いこと一緒にいるから、差し入れする時のメーカーも決まっている。

「さんきゅ」

受け取りながら若葉を中に通す。

「おまえの方こそ寝不足なんじゃねーの?」

俺は熱を出して寝ていたけれど、若葉はそのまま学校に行ったから一睡もしていないはずだ。
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