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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第11章 雨は止んで
すぐに抱き着いてキスをした。

甘い。
気持ちが通じ合っているとわかってからだと、こんなに気持ち良いものだったのか。

若葉も抵抗せずに、俺を抱きしめ返してくれる。

唇を離した後、若葉が「はぁ」と切ない吐息を漏らした。
その耳が真っ赤になっているのを見て、俺は胸をかきむしりたくなる。

もう一度キスしようと思った時、若葉が言った。

「あ、そうだ。しゅーちゃんには話しておかないといけないことがあるんだ」

何だよ。
今更「好きだなんて嘘です」とか言い出さないよな。
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