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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第11章 雨は止んで
俺の部屋に入って、学校カバンを床に置きながら若葉が言う。
「うん、でも全然眠くないんだ。ずっとドキドキしてたから」
「なんで?」
わざとらしく尋ねてみると、若葉は恨めしそうにこっちを睨みつけてきた。
「わかってるくせに」
「言ってもらわないとわかんない」
若葉は一瞬ためらった後、頬を染めて呟いた。
「だから……しゅーちゃんと俺って、好き同士だったんだなぁって……」
何この可愛い生き物。
おまえは俺を悶え殺す気か。