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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第2章 灰色の雨が降る日、俺たちの関係はねじれた
しゅーちゃんが俺の頭を撫でた。
俺はそれを振り払う。

「……ちっ」

舌打ちをして、しゅーちゃんの体が離れていく。
衣服を整え、鞄を持って、部屋を出ていく。

ドアノブを握ったまま、しゅーちゃんが立ち止まった。

「若葉……」

しゅーちゃんが何か言いたそうなのに、俺は気付かないフリをした。
またしゅーちゃんが舌打ちする。

きぃ、とドアの蝶番が音を立てる。
フローリングの床がきしむ音、一旦雨の音が濃くなって、それから玄関の閉まる音。
しゅーちゃんが、行ってしまう音。
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