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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第2章 灰色の雨が降る日、俺たちの関係はねじれた
翌朝。
今日も予報は雨。
まだかろうじて降ってはいないけれど、雲はいつ泣き出してもおかしくないくらい重たい色をしている。

俺はマンションの五階にある自分の家を出て、非常階段を降りた。
四階の角部屋、しゅーちゃんの家の前に来て、一度だけ大きく息を吸う。

大丈夫。
きっと笑える。
いや、笑わなきゃいけない。

終わりたくないから。
幼なじみの関係が壊れてしまったら、俺には何もない。
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