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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第3章 妄想が現実を塗り潰していくまで
問い詰めても若葉は相手が誰なのか白状しない。

最初に踏み込んできたのはおまえのくせに。
俺は大事な友達なんじゃないのかよ。

コップは倒れて粉々に砕け散った。
水は溢れ、洪水のごとく周囲を飲み込んでいく。

視界が真っ赤に染まる。
止まらない。

――無理矢理組み敷いた若葉の泣き顔は、美しかった。






 
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