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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第3章 妄想が現実を塗り潰していくまで
「待ってて、今日ね、おかーさんがロールケーキあるって言ってたから」

翌日の放課後、また俺たちは若葉の家にいる。

当然のごとく俺の分まで用意されているおやつ。
勝手知ったる他人の台所、若葉がコーラを出している間、俺もコップを準備する。

「このコンビニのデザートって美味しいよね」

部屋に引っ込んで、さっそく若葉はケーキにかじりつく。
あんぐりと口を開けて、手づかみでパクリとひと飲み。
ハムスターみたいに食べ物を一度にたくさん口に入れてしまうのは若葉の癖だった。
頬っぺたを膨らませて、もごもごと咀嚼する。
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