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可愛いヒモ~番外編
第3章 友梨香の発熱騒動

 普段よりもちょっと熱いゆーりの体が密着し、変な気分になりそうだった。

「ゆーり……んっ」

 咎めようと名前を呼んだ瞬間、唇を塞がれる。ぬるりと口内に彼女の舌が滑り込んできた。
 ざらついた、柔らかい舌。俺の舌を追いかけるように、口内で蠢く。ゆーりは風邪を引いてるし本当なら拒むべきなのに、熱い吐息と眼差しが、俺の理性を根こそぎ奪っていく。
 諦めて、目を閉じた。もう、誘ってくんのゆーりだし、どうなっても知らない。
 俺からも舌を絡めようとした時だった。

「ごふっ」

 突然ゆーりの喉元で何かが詰まるような音がして、慌てて唇を離した。
 案の定、ゆーりがまた咳き込む。その様子に、俺もようやく我に返れた。

「……ほら、色気ない」
「ごめんなさい」
「てか、色気なんかなくていーよ、今は。そんな状態で誘惑しようとすんなっ」

 びしっと言って、ゆーりの腕をほどきながらベッドを下りる。
 まあ、ついつい流されそうになったけど、そこはこの際棚の上にでも置いておくことにして。

「お粥作るからおとなしく待ってて。トイレ以外ベッドから下りるの禁止ね」
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