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藤の舞
第12章 飢えと渇き
シャワーを使い身支度をして、病院から出る。

疲労感と虚しさに、ボクはげっそりしていた。

病院の門を出て、ふと思う。
清楚な奥さんに会いたい。

サイトを見ていて、もし、客になれたら…と、考えていたことを実行に移すことにした。





だいふ長いこと待つと、奥さんが門から出てくる。

服装は、やはり清楚で、奥さんらしかった。

遠くから後を付け、角を曲がったところで、走って追いかけた。

「奥さん、待ってください。」

ビクッと震えたあと奥さんが止まる。

走り寄り腕を掴んだ。


「奥さん、ボクです。
さっき病院で会ったのはボクです。」

奥さんは驚いてしばらく固まっていた。

「少しお時間いただけないですか?」

奥さんは、またしばらく固まった後、コクリと小さく頷いた。

ボクは待ってる間に、近くにある施設を検索して、行き先を決めていた。

無言でついてくる奥さんを連れてそこに入る。

また驚いて固まった奥さんの腕を離さないようにして、一室を選び受付して部屋まで引っ張ってきた。
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