この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
藤の舞
第13章 買い物
10分ほど行ったところに八百屋がある。
とても古く、狭い間口に軒先まで野菜が並んでいた。
並んだ品物の中に胡瓜はなかった。
そしてお店の人もいなかった。
昔ながらの店構えで、奥は自宅なのだろうか、
高台の土間になっていて、奥の窓ガラスが閉まっていた。
「ごめんください。」
声を掛けると、ガラガラと立て付けの悪そうな音がして、ガラス窓が開いた。
70才近い小柄なおじいさんが顔を出し、
「いらっしゃい。」
体に似合わない大きな声で返事をし、
「よっこらしょ…」
高い土間から降りて出てきた。
「おっ、○○病院の看護婦さんだ。新顔だねぇ…」
「初めまして…」
本当の看護婦さんも、よくお使いを頼まれるのだろうか、
ナース服に病院名は入っていないのに病院を知っていた。
「あの、胡瓜が欲しいんですが、無いみたいで…」
「あるよ。今朝市場で仕入れたんだ。新鮮だよ。まだ奥にあるんだ、
上がっていいの選んでいってよ。」
普段スーパーでしか買い物しないので、そんなものなのか、わからなかった。
とても古く、狭い間口に軒先まで野菜が並んでいた。
並んだ品物の中に胡瓜はなかった。
そしてお店の人もいなかった。
昔ながらの店構えで、奥は自宅なのだろうか、
高台の土間になっていて、奥の窓ガラスが閉まっていた。
「ごめんください。」
声を掛けると、ガラガラと立て付けの悪そうな音がして、ガラス窓が開いた。
70才近い小柄なおじいさんが顔を出し、
「いらっしゃい。」
体に似合わない大きな声で返事をし、
「よっこらしょ…」
高い土間から降りて出てきた。
「おっ、○○病院の看護婦さんだ。新顔だねぇ…」
「初めまして…」
本当の看護婦さんも、よくお使いを頼まれるのだろうか、
ナース服に病院名は入っていないのに病院を知っていた。
「あの、胡瓜が欲しいんですが、無いみたいで…」
「あるよ。今朝市場で仕入れたんだ。新鮮だよ。まだ奥にあるんだ、
上がっていいの選んでいってよ。」
普段スーパーでしか買い物しないので、そんなものなのか、わからなかった。