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藤の舞
第6章 治療4・電気療法
名前も渡された番号札で呼ばれ、受付とは反対の通路を通って診察室に向かった。

診察室をノックすると低いけど優しい声が聞こえる。恐る恐るドアを開けた。


待合室と同じようにブースで仕切られた空間に小さなテーブル、やはり花が活けられていた。

そこにちょこんと座っている先生は、ネットで見るより優しそうだった。

テーブルの上に乗った黒ファイルと小さなペン立ての他は何もなく、
書類に囲まれて大きな椅子に腰掛ける医者特有の威圧感もなかった。

喫茶店のような雰囲気に和み、お喋りのように問診が終わる。


いよいよ診察…
婦人科にかかるのが始めてで、そこを見られてしまうのは恥ずかしい。

スカートや下着を脱ぎピンクの椅子に腰掛ける。

そこからは緊張してよくわからない。

心配していた女性疾患ではなくホッとした。通院の方が早く治るなら、毎日時間をもて余している私は、とにかく早く治したかった。

「ていもう」と言われても意味がわからなかった。

脇のように無駄毛の処理をすることは知っていたが、方法がわからず今まで手入れしたこともない。

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