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藤の舞
第18章 人工受精
「奥さん、クワエるだけじゃなくて、絞めてくれないと、割きが出来ないんですよ。」

圧倒されて見るだけの観客を掻き分け、職人が近づき、釘のような物を鰻の尾に打ち込む。

痛みで暴れる鰻がビチビチと妻の左右の太ももに身を当てる。

ぅぐぅうう…鰻で…いぐぅ…

ビシャァ〜っと潮を噴出し、
天井を向いて泡を噴いて妻が達した。


ビクン…

妻と同時に鰻も動かなくなる。
それを職人は見逃さず、股の近くに串を打ち、柳葉包丁で二つに割く。

あがっ…あがっ…まだ動くぅ…

職人が串を引き下げると、現れた鰻の頭は、身は半分に割かれながらも、ビクビクと最期の足掻きをしていた。

「いい絞めと、絶妙の割きで、無駄な血が寄らず美味しく捌けますよ。」

淡々と職人が鰻を捌き、串に打っていく。


二番目の男が次の鰻を箱から出していた。

妻は放心状態だったが、鰻を見てヘラっと笑い。

「鰻チンコだ。」

と小さく呟いた。


2匹目は、もう慣れてしまい。暴れずにさっさと呑み込んだ。

ところが、男が入れた鰻を掴み、グイグイ下に引っ張る。鰻は勢いを付けて登ろうとするし、綱引きのようだ。
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