パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 キモい。キモい。触れないで。

結衣も大石も、無言のまま歩いて第三理科準備室に着いた。

｢あれっ？？資料、ないんだけど…｣

着いたら言おうと思っていた台詞。


『こっちは帰りたいんだから、早く告白しなさい。
すぐ断ってやる。こんな薄汚い場所、早足で出て行くわ』

綺麗で純粋な顔をしているが、心の中はこんな感じ。


誰も彼女の演技を演技だとは疑わない。

それもそのはず。
母親は大活躍の大女優。
小さい頃は退屈な時にテレビをつけ、母親の演技を見て真似をしていた。
そのうちに演技力がついたのだ。

大石はずっと無言のまま、固まっていた。

｢あのー、ちょっと用事があるから…帰ってもいいかな？｣

バタンッ

帰ろうと思ってそう言った直後、大石がドアを閉めた。