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捨て猫の秘話
第2章 拾ってください
「寒……」
冬の夜空はとても寒く、じっとしていると体の芯から冷えてきます。
少年は、ハルを抱きかかえ公園のベンチに座っています。
「あー……寒い……」
このまま、死ぬんじゃねぇかな
そう、少年は思いました。
捨てられた猫と、自分を捨てた人間。
仲良くこのまま公園で。
「ハッ……たまったもんじゃねぇ」
死にたい。
何故かハルと出会う前は
そう思っていたのに、
ハルと出会ってからは気持ちが変わりました。
───こいつを、ハルを殺したくない
自分の勝手な心情で、ひとつの小さな命を壊したくないと
思うようになったのです。