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変態王子の献身
第7章 二人の晩餐
翌日、また昨日話をした看守もといフレッドの近衛兵がリーナを迎えに来た。

「王子からデートのお誘いです。」

冗談っぽく看守は言った。昨日の話を聞いたリーナも、そして苦笑いの看守もやれやれと言う感じである。リーナはとぼとぼと彼についていった。

前回と同じバスルームがまた使用させられた。バスルームには花が飾られ、香りの良い石鹸が置かれ、バスタブには花びらが散らされていた。
入浴を終えたリーナはまた、置かれていた服を身に着けた。青いベルベットの生地が美しく、ドレスの下にはさらに宝石のあしらわれたアクセサリーが置かれていた。リーナはまた諦めたようにそれを身に着けた。大きなダイヤモンドの着いた髪飾りとそれに合ったネックレスだった。

バスルームから出たリーナを見た看守は息を呑んだ。王族の気品と若さと美しさを備えたリーナのこの姿に魅了されないものはいないだろう。看守はかける言葉もなく、リーナをそのままフレッド王子のいる部屋に連れて行った。

リーナがドアを入ると、フレッドは立ち上がってリーナをエスコートした。看守が部屋を出ていき、王子とふたりっきりになったリーナはどぎまぎとした。昨日聞いた王子についてのことや、隣の部屋の拷問具のようなものが頭をよぎった。

そして、この人は私のことを想い続けていたか、と不思議に思った。

「綺麗だよ、リーナ。5年前、君はまだ11歳で、僕は14歳だった。」

「そうね。でも、貴方はかわってしまわれたわ。」

リーナは寂しそうに言った。

フレッドは、
「そうかい?・・・そうかもね。」
と言った。

「貴方のお母様やお父様は元気でいらっしゃるの?」

「ああ。元気だよ。でも、お父様は相変わらず若い愛人を沢山囲って、お母様は悲しがっていらっしゃるよ。でも、それもお父様が元気である証だと僕は思っているのだがね。」

フレッドの父親はプレイボーイとして有名な王である。フレッドの母親である王妃はだから、寂しい日々を送っていたのである。その親友であった、リーナの母はフレッドの母の良き相談相手でもあったのだ。フレッドの父についても、リーナは自分の母から少し聞かせれていた。
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