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変態王子の献身
第8章 フレッドの苦悩
しかし、一生日の光のあたらないところで暮らす彼女はそれで幸せだろうか。家族とも友人とも隔絶されて過ごす一生。
フレッドは歪んだ趣向と共に優しさをも持ち合わせていた。彼の良心が、リーナを独占したいと言う欲求を押さえ込む。
フレッドはここ数日の会議で初めてまともな発言をした。
「身代金要求については賛成です。ただ、アレックス惨殺の犯人は我が国のスパイや王族直属の兵によって調査がなされるべきです。犯人が分かるまでは、このまま膠着状態を破るべきではありません。」
すぐに反対意見が出た。
「しかし、スパイ団や王族直属の兵団はセイレインブルクとの交渉へ回されるべきです。ご存知のようにリッツシュタインはいつ我が国に攻め入るかわからない状態です。このような状況下では速やかにセイレンブルクとの資金交渉および傭兵団の調達に、すべての者が関わるべきです。」
穏健派がそれに反対して、
「王子の意見にも一理あります。リッツシュタインにとってリーナ姫を失うことは家系の断絶を意味します。用意に戦争の火蓋を開けることはしないと思われます。」
「しかし、リッツシュタインは罪の無いアレックス様を惨殺するような連中です。このままではこちらが何をされるかわかりません。国民は不安におびえています。」
フレッドは思慮深く言った。
「3日だけお待ちください。私の優秀な近衛兵の内3人はスパイ出身です。彼らをリッツシュタインへ派遣し、状況を報告させます。」
大臣たちはざわめいた。
「それでは、王子の近衛兵がいないことになってしまいます。万が一の事態があってはなりません。」
「僕はしばらく王妃の離宮に居住まうよ。あそこに居れば安全だろう。」
王が口を開いた。
「いいだろう。お前が何を企んでいるのか分からないが、3日だけまってやろう。この件についてはお前に一任する。」
「お父様、ありがとうございます。」
フレッドは歪んだ趣向と共に優しさをも持ち合わせていた。彼の良心が、リーナを独占したいと言う欲求を押さえ込む。
フレッドはここ数日の会議で初めてまともな発言をした。
「身代金要求については賛成です。ただ、アレックス惨殺の犯人は我が国のスパイや王族直属の兵によって調査がなされるべきです。犯人が分かるまでは、このまま膠着状態を破るべきではありません。」
すぐに反対意見が出た。
「しかし、スパイ団や王族直属の兵団はセイレインブルクとの交渉へ回されるべきです。ご存知のようにリッツシュタインはいつ我が国に攻め入るかわからない状態です。このような状況下では速やかにセイレンブルクとの資金交渉および傭兵団の調達に、すべての者が関わるべきです。」
穏健派がそれに反対して、
「王子の意見にも一理あります。リッツシュタインにとってリーナ姫を失うことは家系の断絶を意味します。用意に戦争の火蓋を開けることはしないと思われます。」
「しかし、リッツシュタインは罪の無いアレックス様を惨殺するような連中です。このままではこちらが何をされるかわかりません。国民は不安におびえています。」
フレッドは思慮深く言った。
「3日だけお待ちください。私の優秀な近衛兵の内3人はスパイ出身です。彼らをリッツシュタインへ派遣し、状況を報告させます。」
大臣たちはざわめいた。
「それでは、王子の近衛兵がいないことになってしまいます。万が一の事態があってはなりません。」
「僕はしばらく王妃の離宮に居住まうよ。あそこに居れば安全だろう。」
王が口を開いた。
「いいだろう。お前が何を企んでいるのか分からないが、3日だけまってやろう。この件についてはお前に一任する。」
「お父様、ありがとうございます。」