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変態王子の献身
第9章 自白
この人は、いったい何がしたいのだろう。リーナは王子のことがわからなくなった。王子は自分をおもちゃにして楽しんでいるように見えた。しかし、彼の涙には嘘がないようにも見えた。

「私を国へ帰してくださるの?どうやって?」

リーナは尋ねた。

「君を身代金と交換する。そして、アレックス殺害の犯人をこちらに引き渡させる。それがだめだったら、君を殺したものとして幽閉する。」
フレッドのほうがリーナに秘密の作戦を話してしまった。自分は駄目な王になるだろうと思った。別のものに王位を譲るべきだと内心で笑った。
「これが僕の計画していることだ。お願いだ。リーナ。」
彼は全裸で両手を手錠に吊るされているリーナの前で膝をついて懇願した。

リーナは涙を流す王子が哀れになった。
「貴方は秘密を守れる?私が明かしたことを、そうでなかったかのように偽装することができる?私の名誉を守り、偶然に貴方たちが犯人に辿り着いたように偽ることができる?」
リーナは真剣な口調で述べた。

「努力はする。だから、お願いだ。」

「分かったわ。でも、貴方たちの計画を話して。」
リーナは傷だらけの全裸であっても、すでに王子に勝っているようだった。


フレッドはリーナの拘束を解くと、彼と3人のスパイの計画をリーナに話した。

リーナは話しているうちに、自分を嵌めたシュルツ先生への怒りがわいてきた。シュルツ先生はすべてをマリアのせいにするつもりだっただろうことも見えてきた。シュルツ家にどういう事情があったとしても、親友のマリアと自分を陥れたことが許されることではないように思えた。

王子は看守のオイゲンにリーナの傷の手当を任せると、牢を離れ、一度スパイたちと話し合いに出かけた。

オイゲンはリーナと二人になると、
「まったくフレッド王子は、悪趣味にもほどがあります。痛かったでしょうね。良い薬草を持ってきましたよ。」
と言って、傷を綺麗に消毒して手当てをした。

傷の手当が終わり、リーナが服を着終わるころ、王子と3人のスパイが牢にやってきた。
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