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変態王子の献身
第10章 スパイたちと作戦。
王子が連れてきた3人のスパイ達はすべて、王子側近の近衛兵である。スパイを引退してからの名誉職として、この位を得たそうだ。近衛兵の最後の一人がオイゲンである。オイゲンは家柄を買われて、ただ一人若い近衛兵として王子のそばにいるそうだ。

「リーナ、彼らが僕の直属の兵だ。3人とも白髪だけど僕より足は速いし、彼らより賢い者達はこの国には殆どいないだろう。」

3人はリーナの前にうやうやしく傅いた。

一目見た感じでは気のよい老人達に見える彼らの目線の奥に、鋭さがあることをリーナは見て取った。

「リーナ、僕はこの4人の近衛兵と神の名に誓おう。君から聞くことになる犯人の名によって、君の名誉が傷つけられないことを最優先にすると誓おう。近衛兵の諸君、僕のこの誓いを守らなかった者は重罪とするのでそのつもりでいてくれ。」
王子が威厳を持って言うと、4人は頭を垂れた。

リーナは深呼吸してから言った。
「わかりました。私が城下町に行っていたことを知っているのは、シュルツ先生です。」

それを聞いた近衛兵の一人が笑った。
「王子、だから私が言ったではないですか。これは間違いなくシュルツめの仕業でありますと。もちろん、確信こそありませんでしたが、30年のスパイの感は外れませんでした。
もしかして、わざわざ、このことを自白させるために、王子はリーナ姫をいたぶったのではないですか?彼女から薬草の匂いがプンプンします。王子も変な趣味は大概になさってくださいませ。」

「しかし、確証なくお前達を派遣もできない。私の判断が間違ったとあっては、益々私の信頼を失うだろう。」
王子はほくそ笑んでそう言った。

3人はすぐにその場を離れた。看守をしているオイゲンもその場を立ち去った。


牢の柵ごしに二人は見つめあった。

「リーナ、僕はまだ若すぎるようだ。君の体を支配はできても、君の心までを支配はできないようだ。」
その目は優しかった。

「私は、貴方に支配される自分の体が怖い。貴方がいっそ私を犯してくださったらよいのにと私の体はうずいているのです。」
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