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変態王子の献身
第11章 暴かれた陰謀
「いいわ。会議に私が出ましょう。そして証言しましょう。でも、貴方は私が国に帰った後には、シュルツ家と関係のあるモリッツ家の者を捕らえて、ちゃんと追放してください。」

「でも、それでは貴女のリッツシュタインへの裏切り者となってしまう。」

「仕方が無いわ。それに、私はシュルツ先生が許せないの。無実のマリアを落としいれようとしたから。貴方は私を拷問して自白させ、恐怖によってその場で発言させられているという風に演技をしましょう。」

「そして、我が母にも来てもらおう。彼女はモリッツの人間だ。リーナ、一緒に来てくれ。」

リーナに身支度をさせ、演技のために彼女に手枷を嵌めて、三人は母の居る離宮に向かった。

離宮に着くと、フレッドの母親は驚くと共に万遍の笑みを浮かべてリーナを迎えた。

「リーナちゃんじゃない。やっと会いに来てくれたのね。でも、手錠なんてはめて、フレッドったら悪趣味ね。リーナちゃん綺麗になったわね。輝いてるわ。でも、二人は本当にお似合いね。」

フレッドはじれったそうにして、
「そんな場合じゃないんだ。会議に一緒に来てくれ、お母様。」

「会議なんて嫌だわ。何を言えばいいのか・・・。」

「わかっているだろ。貴方の弟の取った婿、ウォルフガングが犯人だ。あいつがアレックスを殺させた。」
フレッドは声を荒げて言った。

「ええ。でも、私には関係ないわ・・・。」

「お母様は、この国が滅んでも良いのですか?」

母は冗談めかして笑い、
「それくらいでは滅びないでしょう。」
面倒くさそうに彼女は言った。
焦るフレッドは今にも彼女に襲い掛かるかとでも言うような怒りを見せた。

「おば様、私もそう思っておりました。私に、国のことなど関係ないと。そうしているうちに私は捕まって、辱めを受けました。病根は深くならないうちに絶たれるべきです。」
リーナは毅然として言った。

「リーナちゃん、大きくなったのね。立派だわ。
ぜひ貴女にフレッドのお嫁さんになってほしかったわ。こんな状況ではむりでしょうけど。いいわ。リーナちゃんが一緒なら会議にでましょう。」

フレッドはリーナを誇らしげに見た。
彼女のような妻をもてたらよいと思うのは、母だけではないのだ。


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