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変態王子の献身
第12章 ツォーハイムの議会
城の広間には40人ほどの大臣がそろっていた。

王子が言うには、そのうち10人ほどが裏切り者であるという。しかし、他にも10人ほどのモリッツ家出身者が議会を占めているという。彼らを説得しなければ戦争は始まるだろう。

会議の開催される広間に、手枷をつけられたリーナと、フレッド、そしてフレッドの母が入ると、会場はざわめいた。

王が3人に声をかけた。
「フレッド、なんのつもりだ。」

「父上、私は貴方に命じられた任務を全うするために、二人を連れてまいりました。」
フレッドは会議場全体に響く声で言った。
会議場が静かになった。

「皆様は、今日三人の近衛兵が毒殺されたという知らせを聞いていらっしゃると思います。その三人は先日の議会で私が宣言した通り、仕事を全うし帰還しました。
彼らは、前モリッツ家党首アレックス殺害の犯人が、リッツシュタイン領のシュルツ家であると突き止めました。
さらに、シュルツ家から婿養子としてやって来た現モリッツ家党首のウォルフガングさん、あなたは両国の国交断絶以降にもシュルツ家と未だに取引がありますね!」

一同は、王妃の義理の甥に当たるウォルフガングを見た。

「何を世惑いごとを。私がなぜアレックス様を殺させねばならない。私は王家に使える僕にございます。」
会議場はざわめいた。
王子は止めを刺す証拠を欠いていることが分かっているので、冷や汗をかいている。


会議場に突如、甲高い声が響いた。
「お黙りなさい、ウォルフガング!私の前でよくそんなことが言えたものね!私は知っておりますわ。あなたがアレックスのやり方を好んでいなかったこと。5年前のリッツシュタイン家との国交断絶後、シュルツ家との裏取引を一切やめていたアレックスを嫌っていたことを。貴方の奥様より聞いておりますわ。」
王妃は、さっきまでのうだつの上がらない様が想像できないような毅然とした態度で言い放った。

会議場はざわめく。

フレッドはそれを制するように続けた。
「さらに、ここにいるリーザ姫の誘拐の手はずを担ったのはモリッツ家であることは皆さんご存知ですね。それは我々の決定です。しかし、城の中で普段守られているリーザ姫が、滅多に出ない城下町の雑踏で誰にも気づかれずに誘拐され得たのは、どうしてでしょう。
誰か彼女の行動を正確に知るものが、モリッツ家に居たはずです。」
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