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変態王子の献身
第12章 ツォーハイムの議会
フレッドはわざと荒々しくリーナを繋ぐ手枷を引っ張って言った。
「ここに、両家のつながりを示す証拠があります。」

リーナは心得たように、わざとしどろもどろと言った。
「えーっと、今回の私の外出を知っていたのは、外国語のシュルツ先生だけです。他には誰も知っているものはいません。シュルツ先生は両替商のシュルツ家当主の兄弟です。
皆さん、早く私をお家に帰して下さい。お父様は身代金を払ってくれますわ。」
そう言うとはにかむ様に下を向いた。

会議場はまた大きくざわめいた。

王は現モリッツ家党首ウォルフガングをにらんだ。
「お前は知っておろう!アレックスは私が愛人に生ませた子供だ。公式にはモリッツ家の子とされたが、あれは私の息子だったのだ。それはここにいる全員が承知の事実だ。お前は私の息子を生きたまま焼いて殺させたのか?」

ウォルフガングは容疑を否認するが、議会の出席者の大半はそれをすでに信じようとはしなかった。

「王の名を持って命令する。容疑が晴れるまで、ウォルフガングを地下牢に幽閉すること!そして、ウォルフガングの側近の4名も同様に!」

王の兵士がやってくると、ウォルフガングと他4人を連れ出した。


会場が落ち着くと、フレッドはおごそかに続けた。
「皆さん、私の言葉に耳を傾けてくれたことにお礼を申し上げます。シュルツ家とモリッツ家の一部のものは一緒になって我が国とリッツシュタインとの間に戦争を起こし、それによる特需にて利益を得て、さらには国庫の疲弊した我が国を転覆させようとしていたというのが私の推測です。
それがどこまで正しいかはわかりません。ただ、両替商シュルツ家とモリッツ家の一部が共謀し我が王族を殺害し、リッツシュタインのリーナ姫を誘拐してきたというのは、まぎれもない事実です。
これに対して王族殺害の賠償金をリッツシュタイン王家に払わせると同時に、それと引き換えに、リーナ姫をリッツシュタインに帰すことを重ねて提案します。
戦争で利益を出すモリッツ家の方々には残念ですが、我が王家は、我が国の借金を増やしてまでリッツシュタインに戦争を仕掛けるより、血を流さずに賠償金を得るのが我等にとっての得策であります。」


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