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やさしいんだね
第4章 ロストバージン
何年何組かすら知らない、けれども確かに同じ中学に通っているはずの女子生徒の横顔には屈託のない笑顔が浮かんでいた。母親の横顔も同様だった。
「・・・残さず全部出してきて・・・」
交差点の信号は青。
2人は先ほどソンが1人きりで入っていったスターバックス店内に、並んだままの格好で消えていった。
スターバックスの看板が小さくなっていく。
小百合が放った言葉の語尾も小さく消えていく。
2人の背中を目にした瞬間、小百合の脳裏から一瞬、色黒さんの笑顔が消えた。
代わりに浮かんだのは、小百合の本当の父親が死んだと知った時の、泣き崩れる母の姿だった。
・・・お母さんは何も知らない。
私がこんな仕事をしていることも。
今日、本名も知らない、お母さんと同い年の男に、後ろの処女を捧げるということも。
小百合は二度、母親の涙をかき消すように頭を左右に小さく振った。
そしてコーヒーに口をつけないまま身を乗り出し、まるでソンの背中に抱きつくかのように運転席に後ろから抱き着いた。
「ねぇソン?黙ってないで、なんか教えてよ?」
耐熱紙ごしにカップの中身の熱が手のひらにじんわり伝わってくる。
ソンはバックミラー越しに逸る気持ちを隠しきれない小百合のやや紅潮した顔を確認すると、へへへっと下品に笑った。
「それだけしたらじゅーぶんですってぇ小百合様ァ!小百合様はなんもしなくていいの。なーんも知らねぇフリして、色黒さんになにもかも任せたらいいんだって!・・・へへ、痛いのもさ、それはそれで嬉しいだろ?惚れた男に捧げる“はじめて”ならさ・・・」
ソンは小百合が松浦に後ろの処女を捧げると決めた日から、具体的な挿入方法等のアドバイスは一切してこなかった。
それは商売人として顧客の松浦の気持ちを尊重してのことであり、小百合の身体面の問題は一切考慮していなかった。
しかし小百合にとってはソンのやり方は正しかったのかもしれない。
「やっぱり痛いのかな?怖いなぁ、不安になってきた」
そんなことを呟きながらも、小百合は愛しい男が喜んでいる顔を想像して、今にも弾けそうなくらいの大きな期待を膨らませていたのだから。
「・・・残さず全部出してきて・・・」
交差点の信号は青。
2人は先ほどソンが1人きりで入っていったスターバックス店内に、並んだままの格好で消えていった。
スターバックスの看板が小さくなっていく。
小百合が放った言葉の語尾も小さく消えていく。
2人の背中を目にした瞬間、小百合の脳裏から一瞬、色黒さんの笑顔が消えた。
代わりに浮かんだのは、小百合の本当の父親が死んだと知った時の、泣き崩れる母の姿だった。
・・・お母さんは何も知らない。
私がこんな仕事をしていることも。
今日、本名も知らない、お母さんと同い年の男に、後ろの処女を捧げるということも。
小百合は二度、母親の涙をかき消すように頭を左右に小さく振った。
そしてコーヒーに口をつけないまま身を乗り出し、まるでソンの背中に抱きつくかのように運転席に後ろから抱き着いた。
「ねぇソン?黙ってないで、なんか教えてよ?」
耐熱紙ごしにカップの中身の熱が手のひらにじんわり伝わってくる。
ソンはバックミラー越しに逸る気持ちを隠しきれない小百合のやや紅潮した顔を確認すると、へへへっと下品に笑った。
「それだけしたらじゅーぶんですってぇ小百合様ァ!小百合様はなんもしなくていいの。なーんも知らねぇフリして、色黒さんになにもかも任せたらいいんだって!・・・へへ、痛いのもさ、それはそれで嬉しいだろ?惚れた男に捧げる“はじめて”ならさ・・・」
ソンは小百合が松浦に後ろの処女を捧げると決めた日から、具体的な挿入方法等のアドバイスは一切してこなかった。
それは商売人として顧客の松浦の気持ちを尊重してのことであり、小百合の身体面の問題は一切考慮していなかった。
しかし小百合にとってはソンのやり方は正しかったのかもしれない。
「やっぱり痛いのかな?怖いなぁ、不安になってきた」
そんなことを呟きながらも、小百合は愛しい男が喜んでいる顔を想像して、今にも弾けそうなくらいの大きな期待を膨らませていたのだから。