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泡のように
第1章 ひとつ言えることは
 名刺を一回り大きくしたサイズの二つ折りのケース。
 てかてかした水色の表紙を開くと、中には曜日シールの下に規則正しく7つずつ4列で丸い錠剤が、全部で28錠並んでいる。

 何も難しいことはない。

 毎晩寝る前、曜日シールの順序を守ることと、決して飲み忘れないことを大前提として、錠剤をケースから指でプチッと押し出し口に放り込むだけ。

 本当にそれだけ。

 バカな私でも、続けられます。
 って深夜のテレビショッピングかっての。

 健康保険の適用しない、月々3千円弱の自己負担。

 たったそれだけ。
 たったそれだけの負担で、私は、彼らの愛情を得た。

 自尊心と、引き換えに。
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