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傍にいてもいいの?
第1章 始まる前
静かな部屋に響くのは、愛し合う男女が奏でる音。
軋む音も、渇いた音も、潤んだ音も。
喘ぐ声も、吐息も、すべて混じって。
一際大きな奇声が響き渡ると、整える息遣いだけになる。
「なぁ....」
さっきまで、柔らかな膨らみを撫でていた手は離れていく。
「ん....なぁに?」
まって。と言えずに、その手を追う。
「いや、まぁ....お前のこと抱いたあとなんだけどよ」
あたしの中から出ていく熱の塊。
「うん....」
まだ....出ていかないで。と言えずに締め付ける。
と、
「今日で俺たち『終わり』な....」
それだけいうと、さっきまであたしと繋がっていた男は火照るあたしの頬をひと撫でしてベッドから降り、散らばった服を手繰り寄せ身に纏う。