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傍にいてもいいの?
第6章 穏やかな時間

結局――――――――

この日は佑典さんがあり合わせで簡単な晩御飯を作ってくれました。


『マッサージしようか?』

なんて優しく声を掛けてくれたのですが、もしかしたらのことが頭をよぎり........遠慮しました。




佑典さんが作ってくれたご飯を食べて、幸せに浸っていて思い出したことがある。


本当は思い出さない方が良かったのかも........知れないけれど。


愛されて、優しく包まれたからこそ、すみれの教えてくれた佑典さんと専務の姪御さんの『お見合い』が不安になったのかも。


佑典さんは何も話してくれない。
心配かけさせないように気を使ってくれてるのかな?


聞いてもいいかな?お見合いのこと。

もしかして、聞いたら怒られる?


教えてほしいのが、本音。

聞きたくないのが、本音。





佑典さんのベッドで小さく丸まってつまらないプライドと戦う。


今日、あんなにも愛してくれたんだよ。

今日、こんなにも包んでくれたんだよ。




きっと、大丈夫だよね。


佑典さんはあたしのことを........。





初めて一緒のベッドで眠る夜なのに。
こんなにも辛い夜になるなんて思いもしなかった。




佑典さん........


佑典さん........





あなたのこと、信じても........いいですか?


傍にいても........いいですか?





その夜。
隣で眠る佑典さんに、自然と溢れる涙がバレないように背中合わせで瞼を閉じた。



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