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傍にいてもいいの?
第9章 守りたいものがある........
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「佑典さん....」
「ん?」
「大好き......」
「俺もだよ....」
「ギュッて、して?....強く、抱き締めて?」
さっき果てたばかりで、ひとみの隣に寄り添うように寝転んだら、甘えるように俺の胸に顔を埋めるように擦り寄ってきた。
「どうした?何かあったのか?」
そんなこと聞かなくても、何かあったに決まっている。
会議中でも外出中でも、新藤からの連絡は何度もあったのだから。
ひとみに何かあったとき、俺が席を外しているときは新藤に連絡を頼んでいた。
取引先は浅川以外もあり、俺の仕事は少なくないから。
俺が助けられないときは新藤がよく動いてくれた。あいつには本当に感謝してる。
「ううん。佑典さんを感じてるの....傍にいるって....」
「ひとみ........」
「それとね....佑典さんのパワーを分けてもらってるの。また明日も、仕事を頑張れるように。負けないように」
埋めていた顔を持ち上げて俺と視線を合わせれば、ニコリと微笑むひとみが触れるだけのキスをしてきた。
「ここ1週間はみんなに迷惑をかけてしまって........へこんでいたの。だから、今日は佑典さんが早く帰宅してくれて、抱き締めてくれたから嬉しいの」
また、俺の胸に顔を埋めると
「佑典さん....」
「ん?」
「あたし........もっと、頑張るね」
『おやすみなさい』
ひとみはそう呟いて、俺に寄り添ったまま瞼を閉じた。
『早くカタをつけるから、もう少しだけ辛抱してくれな........ごめんな、ひとみ』
寝息をたてだしたひとみにそう伝えて俺も眠りについた。
そして今週末、専務と浅川社長の企みが大きく動き出した。