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§ 龍王の巫女姫 §
第1章 序章
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精巧な浮き彫り細工が施された黒扉の先──
扉の奥に構えるその部屋は
男と女が抱き合うための場所であった。
「…‥ッ‥‥ァ‥…」
薄い柔らかな紗( シャ ) に囲まれた寝台の上で
重なりあうふたつの影が見てとれる…。
ふたつの影はこれといって大きな動きを見せないのだが、紗の向こうから若き乙女の苦し気な息遣いが途切れることはなかった。
「──。……、…」
そんな中、艶のある低音の声が時折、小さく囁いていた──。