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§ 龍王の巫女姫 §
第12章 紅い灯籠に花を広げ…

愛しみだなんて…そんな感情があるわけない。

『 生きろ、水鈴…── 』

そう言ってわたしを抱き締めたのはあなた。

けれど…だからってそれは愛情じゃないの。
勘違いしては駄目。


「──…仕方のない…。なら、俺がひとつづつ導いてやるから、言った通りにしろ」

「…はい…」


…わたしは、あなたに逆らえない。

わたしに死を許さなかったのも
わたしを生かしたのもあなただから…。




「先ずは腰をずらして座り直せ…。背は、後ろの柵に預けてな」

「…っ…ふ‥」

もはやこれまでと観念したように、震える息を吐いて水鈴は頷いた。


「右脚から…持ち上げて此処へ乗せろ」

彼女の座る椅子に手を置き、炎嗣が命じる。


「…でも…ッ」

「…聞こえなかったか?」

「ぁ……」


きつく閉じていた膝の隙間に彼が手をさしこみ、ゆっくりと開いてしまった。

そして、自分の力で持ち上げるように導いてくる。


“ いっそ最後まで、力ずくで開かせてくれたらいいのに…っ ”


あくまで水鈴の意思で、脚を開かせる。

そんな彼を恨めしく思いつつ、彼女は渋々片足を椅子にのせた。


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