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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

「よくやるな…その紅葉のような小さな手で」
「手の大きさなんて関係ないもの。こういうのは心を込めるのが何より大事だと村長が……、
──…あ…、これは何かしら…」
彼の着る薄衣は濡れて透けており、衣の下の肌色が見える。
ところが、ちょうど左の肩甲骨の辺りに…
「……痣、ですか?」
水鈴は気になるものを見つけた。
「何処でこのような怪我を?…もしかして馬の蹄で踏まれたときに…っ」
炎嗣の白い衣に、赤黒い痣が透けていたのだ。
そんな所に怪我を負っているとも知らず、不用意に触っていたかもしれない。
「ごめんなさい、気が付かなくて…。痛みは?あるのでしょうか」
「…そうか…見せたことはなかったかもな」
「え…?」
炎嗣は自ら片腕を衣から引き抜き、心配する彼女の前にその左肩をさらした。

