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§ 龍王の巫女姫 §
第17章 氷の中の乙女

二人きりになった部屋で
暫く動かなかった炎嗣──
おもむろに寝台に近付くと、片手を敷布について彼女と唇を合わせた。
「──…」
スーーー
死人のように冷たい
しかし彼女はまだ生きている。
「このまま目覚めないつもりか」
横の粥をむりやり呑み込ませてやりたい。
「それ以上に痩せたら、抱く楽しみがなくなるだろう…」
銀髪をそっと払うと、簡単に手折れそうな水鈴の細首が現れた。
炎嗣の指がその首をつたい、右手で掴む。
少しだけ指に力をこめると…
彼女の寝息が止まりその後に軽く咳き込んだ。
瞼は閉じたまま眉間にしわが寄る。
絞め殺してしまわぬよう、炎嗣は指の力をぬいてやった。

