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§ 龍王の巫女姫 §
第18章 貴方に届けたい
そんな水鈴の告白を受けて、炎嗣は眉を上げて一瞬だけ驚きを見せた。
「…クッ、その事か」
「…っ」
しかしその驚きもすぐに影をひそめ
彼は余裕めいた笑みを見せる。
「花仙──…あの男と会っていたという事実が、何故、俺を騙していたということになる?」
「…え、だって」
「なぁ?……何故だ」
“ 何故と聞かれても…っ ”
水鈴は彼の切り返しに戸惑った。
「…炎嗣様にとって…不快な、ことかと…っ」
「──…ああ、確かに不愉快かもな。それは何故だと…お前は思うんだ」
炎嗣にゆっくりと二胡をとられ
腕を掴んで引き寄せられる。
「…水鈴」
「…それ は…──」