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§ 龍王の巫女姫 §
第18章 貴方に届けたい
「…あの男とは、会って話をしただけか?」
いつもの低い声だ。
咎められている錯覚に陥る。
「口付けを…しました」
「その先は──?」
いや、錯覚ではないのかもしれない。
「その先は……」
その先、の意味すること…
水鈴は理解した
「──…してない、です」
「……そうかよ」
そこまで答えさせて、炎嗣は唇をふさいだ。
“ 俺の愛を感じているなら…… ”
お前はどちらを選ぶ気だ?水鈴──
俺に抱くのは、罪悪感だけなのか?
「…ハァ…ごめ…なさい」
「──…もう喋るな」
口付けの合間から、彼女の謝罪が聞こえる。
炎嗣はそれ以上を話させなかった──。