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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )

水鈴は炎嗣の下で身体の向きを変え、彼の首に両手を回した。

「水鈴──…」

絶頂の余韻が残るおぼろな瞳

そんな目を向けてくる彼女を見て、炎嗣はそっと…水鈴の背に手を添えて支えてやる。


すると彼女は上体を起こし

炎嗣のひきしまった 形よい唇に、自身のそれを合わせ口付けた。



「……!?」

「…ハァ…─、ン、ン…」


押し付けただけで、後は何もしない。

唇を離した水鈴は落ち着かない呼吸のまま、彼の胸に頬を付けて目を閉じる。



…一瞬だった


その一瞬で、炎嗣は次に何をすれば良いのかわからなくなる。



.........





「…わたし…、あなたが、好き」


「……」


「好きです…っ、だから…もう少し、このまま…」


もう怖くない

好きというこの言葉は愛の言葉だから…。

今の彼女は巫女ではないから、愛の言葉は罪ではない。



「このまま一緒に…いて下さい」



炎嗣の愛撫を全身に感じるのは好きだ。

でも…果てる瞬間は、自分がどこか遠くに拐われてしまいそうで…

意識が飛んだ間に、炎嗣が消えてしまいそうで。



「俺は此処にいるだろう…」

「…はい…ずっと、いて下さい」

「…馬鹿が…!!」



“ 何故、お前はそうやって…無意識に、…俺を乱すのが得意なんだ…!! ”



炎嗣は水鈴が望んだとおり、顎を捕まえると彼女の可憐な唇に喰らい付いた。





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