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§ 龍王の巫女姫 §
第4章 狂気
眠りについた水鈴を残して、花仙は夜道を急いだ。
御堂が在るのは集落から南にそれた森の中であり、北の端にある彼の家とは反対側だ。
しかし元が小さな村であるから
十分弱ほど歩くだけで峭椋村は縦断できる。
御堂への野道は起伏も少なく歩きやすい…
彼はすぐに森を抜けて、村人たちの家屋が立ち並ぶ中心部までやって来た。
───
峭椋村の人々は、巫女姫と同じように早くに床につき、朝早くから活動を始める。
であるから今夜も家々の灯りは既に消された後であった。
パチ ッ ..... パキ... . . . パキ..
しかし…今宵の峭椋村は不思議と明るい──