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§ 龍王の巫女姫 §
第4章 狂気
「村が燃えている…!!!」
パチッパチッ パキ....
集落から立ち昇る炎があった。
その炎量は尋常ではない。
それは家が燃えているのではなく、まさに村が燃えていると言えよう…。
「…火事なの…!?…そんなッッ みんなは…!!」
いまは皆が眠っている時間
でも……ちゃんと逃げているのでしょう?
どこかに避難しているのでしょう?
《どこかに》と彼女が思ったのは、この異常事態に村全体が静まりかえり、人々の声がしないからだ。
“ どこかに…必ず…逃げていて !! ”
強風に煽られた炎がますます大きく立ち昇る中
村人の無事を願う彼女は燃える集落へ足を踏み入れた。
“ 大丈夫…!! 皆、無事な筈です── ”
.........
「きゃああああああ!!!」
その直後、燃える村に悲鳴が轟く。
「これッッ‥これ、っ──!!!!‥‥こんな 事って‥!」
静かな筈だ。…村の人は
ひとり残らず血まみれで息絶えて居たのだから。