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贄姫
第3章 参
途端に瓊乱は手を離す。
急に押し寄せてきていた熱いものが
椿の身体から引いていく。
だがしかし、身体は苦しさを増した。
高揚感を欲して、体中がうずいた。
「……続きはお願いするんだな」
「な、にを……」
「楽になっただろ、身体」
言われて、のぼせも身体のけだるさも
だいぶ収まっていることに気付く。
それなのに、身体が貪欲に瓊乱の刺激を求めた。
疼きではなく、苦しみにも近い渇望。
ーーあたし、どうしたんだろーー
「お前から俺を欲しがったら極上の快楽を与えてやるよ。
精気をお前から奪うのもお前に与えるのも、
俺は自由自在にできるんだ。
とにかく、俺にお願いするんだな」
「嫌よ、絶対にしないわ。
お願い、普通にして。
精気はあげるから…」
強情だよな、と起き上がった椿の首筋に
瓊乱が噛り付いた。
そのまま舌を滑らせて、耳元に熱い息を吹きかける。
「本当は精気じゃなくてもっと刺激が欲しかっただろ?
口づけをお願いするんだ。もしくは……」
瓊乱の真っ赤な瞳が椿の目の前に現れる。
恐ろしく甘美な表情は、見るものをぞくりとさせた。