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贄姫
第4章 肆
椿の涙を舐めると、しょっぱさの中に
コクのある甘みが広がる。
脳天を突き抜けるような甘美な刺激があった。
焦らせば焦らすほど感度が上がっていく。
快楽を覚えるほどに、匂いは強まっていく。
まさしく贄を体現している身体。
ーーこいつを堕としたら、一体ーー
一体どうなるだろう。
ただでさえこうなのに
快楽に目覚めたとなったら
どうなってしまうのだろうか。
瓊乱は舌舐めずりをした。
生き飽きていた瓊乱にとって
この極上のおもちゃーーー椿は
たまらなく面白かった。
人の一生など一瞬だ。
契約を結んだところで、
瓊乱の感覚からすればすぐに終わる。
だから、このおもちゃを偶然にも手に入れられて
最高に楽しくて仕方がなかった。
遊び尽くしてやろうと
そう思っていたのに。
気づけば、そのおもちゃの虜になり始めていた。
滝に反射する月明かりが
ゆらゆらと揺れながら
真っ白な椿の肌を揺らす。
上気した肌に浮かび上がる模様は美しく
爪の先でその線をなぞると
椿が悩ましげな吐息を吐いた。
「椿、いい顔だな。
呪いとはいえ、こんな淫乱な身体にされて…」
2つの小ぶりな山のてっぺんは
焦らされたいのか少し触れただけで
ぷっくりと立ち上がる。
それに応えるように
瓊乱はそれを口に優しく含むと
舌先で転がした。
椿は苦しさを増す一方の
快楽への欲求に、涙を流した。