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贄姫
第5章 伍


「じゃあ、さっさと終わらせてやるよ。
この後学校だろ?」


このままじゃ行くのだって嫌なのに。
そう思う椿を無視して、瓊乱が椿に精気を流し込んできた。
すると、みるみるうちに力がみなぎって
自分の下腹に抱え込んだ瓊乱を感じた。


「そうだ、それでいい。もっと吸え、椿。
そのまま強く咥えこむんだ…。
それで、お前が逝かせてくださいといえば、終わらせてやるし
この術式が完成する」


瓊乱は苦しそうだった。
そして、それは椿もだった。
力が戻ると、快楽は増しになるようで
それは、恐ろしい力だった。


椿が瞬きをすると、瓊乱の胸板に涙の雫が落ちる。
瓊乱はその涙を親指で拭って、
そっと椿の身体を床に倒した。
ゆっくりと抜き差しするのだが
その大きさと太さから、
何をされても脳天を突き抜ける快楽が椿を襲った。


たった一晩で、こんなになってしまうなんて。
そう思いながらも、どこかで瓊乱を受け入れていた。
それは瓊乱から与えられる重たい快楽が原因の一つだが
それ以上に瓊乱の瞳に椿は何かを感じ取っていた。


「瓊乱…お願い…」


逝かせて。


そう小さく呟く声を聞き取ると
鬼は一瞬だけ目を細めて
そしてその唇を封じて、欲望を椿へと深く打ち付けた。
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